H25年4月20日(土)、4月21日(日)の2日間、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて開催された、『日本医工学治療学会 第29回学術大会』に参加させて頂きました。
会場も第1から第6まであり、『医工で築く明るい未来~イノベーションの真の応用と精神の調和』というテーマのもと、呼吸療法や人工透析など2日間で100題以上の演題が発表されていました。
20日には呼吸療法セミナーも開催され200名程が受講されていました。
午前は解剖生理学から始まり、呼吸器の設定、グラフィックの見方などの講義があり、午後からはフィジカルイグサミネーションや人工呼吸管理中のリハビリテーション、安全管理と教育などの話がありました。
中でも安全管理と教育の講義で取り上げられていた、インストラクショナルデザインという教育概念が非常に興味深い内容でした。講師の臨床工学技師の先生は、自身の病院で開催される勉強会などに取り入れており、スタッフのスキルアップに効果を発揮しているそうです。
インストラクショナルデザインとはADDIEモデルという、分析(学習課題の分析)→設計(学習目標の設定)→開発(トレーニングの為の素材の作成)→実施(勉強会の実施)→評価(学習目標を達成出来たか確認)の5つのフェーズに分かれ、それぞれのフェーズでフィードバックを行うことで、比較的修正が安易なうちに問題をみつけだし、時間や費用の節約を図り、質の高い学習を提供するのが目的との事です。
普段私たちが行っている勉強会にこのプロセスを取り込むことで、より質の高い勉強会を提供出来るのではないかと思います。
今回の学会で福岡営業所の小川所長も『在宅人工呼吸療法における機器事業者の役割(チーム医療の一員として)』という演題で講義されました。
在宅人工呼吸療法についての演題は非常に少なく、認知度もまだ低いようです。今後このような場を通して在宅呼吸療法の普及に努めていけたらと思います。
天神会理事長の古賀伸彦先生も『音楽と音響の医療への応用』という演題の座長を務めておられました。
演者はテレビや雑誌などでも活躍されている、井出音研究所所長の井出祐昭先生でした。
アポトーシスという生物を構成する細胞が自分の役目を終えたり、不要になると、みずから死ぬ現象を可聴化した音楽を聴かせて頂きました。
この音楽は不安感の軽減や待ち時間の快適化を目的として作られたとの事で、音楽の持つ力を教えて頂きました。
最後に今回の学会に参加し医療機器に携わる者として、非常に良い経験となりました。今後はこのような学会で演者として参加できるよう、日々精進いていこうと思います。
北九州営業所 久家 |