平成25年10月15日(火)、アクロス福岡にて、株式会社小池メディカル主催「第7回在宅酸素講習会」に参加致しました。今回の講習会は二部構成となっており、「1.酸素濃縮装置と消毒」、「2.在宅酸素療法~最近の話題~」というテーマで実施されました。
始めに導入部分と致しまして、HOT事業者が知っておくべき医療法・医師法についての講義がありました。私たちが普段行っている業務の裏にも法律で定められたルールが明文化されており、それを遵守することはもちろん、更に高い水準での業務に取り組む姿勢が必要であると感じました。
第一部、「酸素濃縮装置と消毒」では、微生物に関しての講義がありました。人類と微生物の歴史、微生物の種類・形態・特徴、感染と発症のメカニズムという項で講義が進められました。
ここで私たちが特に気をつけなければならない事案として挙げられたのが、本来病原とはならない菌に感染してしまう、「日和見感染症」です。この日和見感染症は、感染抵抗力のない方(入院患者など)が罹る病気として用いられてきた病名ですが、近年医療現場の多様化に伴い、「医療関連感染」として認識されるようになりました。私たちが取り扱う酸素濃縮装置も、この感染症の感染経路と成る恐れがあります。
特にHOTの患者様はご高齢の方が多い為、私たちが定期点検を行う際、正しい清掃・消毒を行うことで少しでも感染の可能性を減少させることが出来るのではないかと思います。今日の医療現場では入院から在宅へ、という体制整備が徐々に進められています。「目に見える汚れ」はもちろん、「目に見えない汚れ」にも意識を向けることが必要であると感じました。
第二部の「在宅酸素療法~最近の話題~」では、在宅酸素療法のねらい、酸素濃縮装置の種類について、という基礎的な部分から、在宅における事故事例の紹介などがありました。特に火の取り扱いに着眼した事故事例が紹介されたのですが、最も報告事例の多い事故は「喫煙」によるものでした。私も点検にお伺いした際、患者様宅に灰皿と吸殻があったことや、つい昨日まで喫煙していました、というお話をお伺いしたことがあります。
酸素には支燃性がある為、酸素・可燃物(経鼻カニューラ等)・火の元の3要素を満たすことで発火してしまいます。海外では年間182件もの在宅酸素に関わる火災事故が発生し、その原因の内73%が喫煙によるものであるということでした。
もちろん喫煙の有無に関わらず、料理をする際のコンロからの火、ストーブの火など、火気の注意喚起は重要です。より一層火の取り扱いに関し啓蒙し、患者様、ご家族様と共に安全な環境作りをしていければと思います。
最後に今回講演をされた講師の先生方、関係者の皆様ありがとうございました。
久留米 木村
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