■研修所見■
今回は、睡眠障害の診断・循環器疾患に対するCPAP等の効果。
他、現場でのPSG検査について講義頂きました。
Dr・看護師・検査技師・業者等の計105名の参加でした。
私達が仕事で直面するSAS以外にも様々な睡眠障害についてお話頂き、似通った症状の睡眠障害も多く、疑われる病状によりアクチグラフ・睡眠日誌・PSG等を用い、ICSD-3(睡眠障害国際分類第3版)に基づいて診断をする事が重要だと仰っていました。
具体例を出すと、突発性過眠症と睡眠不足症候群です。
症状は似通った点が多いそうですが、突発性過眠症では、睡眠時間を増やしても日中の激しい傾眠等が改善される事なく、その状態が3カ月以上続いていると睡眠不足症候群では無いと判別できるそうです。
睡眠不足症候群では睡眠時間を増やせば改善しますが、また睡眠時間を短くすると日中の眠気等が出現するのが特徴だと仰っていました。
また、10年に1度、総務省が男女年齢別平均睡眠時間の統計をとるそうです。
前回の統計2006年と2016年比較し、おおよそ変わりは無かったとの事ですが、女性の平均睡眠時間が目立って減少しているそうで、理由として働く女性が増えた為では無いかと仰っていました。
それに伴い近年、睡眠不足症候群で受診にいらっしゃる女性が増えたそうです。
そういう方には、まず睡眠時間の増加を促し、必要があれば生活指導を行い、理想の入眠時刻を決めて経過観察。
それでも改善が無く睡眠時間をどうしても延長できない場合は入院させ満足な睡眠がとれる環境をつくり、睡眠が安定して退院させていると仰っていました。
また、ADHD児は20~50%の確率で小児期に不眠・過眠・SAS等の睡眠の問題を生じる事が多いとの事です。
多動や集中力低下はADHDの特徴的症状ではありますが、夜間の睡眠・覚醒リズムの後退や睡眠の質の低下によっても症状の増悪がみられる可能性があるとのお考えで、従ってADHDの症状改善には夜間の睡眠の改善が不可欠だと仰っておりました。
私の業務でも専門外のDrから患者様の睡眠障害でご相談頂く事が多々あり、簡易SAS検査後、CPAP導入、導入基準満たさない場合は、基幹病院でのPSG受検をご提案する事が主です。
しかし、簡易SAS検査後、PSG検査は費用と時間を要する為、PSG検査を受検しないケースも少なくありません。
PSG受検により、SASだけではなく様々な睡眠障害疾患を診断する事が出来るため、CPAP導入の為のPSG受検の提案に終始する事無く、幅広い睡眠障害の知識を習得し、患者様の訴えを細かにDrへフィードバックする事で、様々な睡眠障害の方へのサポートとなる検査の提案が出来る様になる必要を感じました。
久留米営業所 船津 貴一
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